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2021/09/10 17:44



編組品作家の渡部萌さんの材料調達に2日間同行させていただきました。
渡部さんは毎年9月頃になると1ヶ月間山形県の山奥でアケビのツルを採集します。
採集した材料は全て東京の工房へ送ってから作品制作をするので、山形ではひたすらにツルを採ります。


↑ 同行初日は雨が降っていて、全面に生い茂る草木がみずみずしく鮮やかな緑で、初っ端から見た事のない景色に圧倒されました。


↑ 最初の採取ポイントまで歩いていく渡部さん。完全に置いてかれてます…



ツルの採取は薮の外側から刈っていくのかと勝手に想像していると、
突然薮の中に行きますと言われ渡部さんが草木をかき分けて入っていきます。入り口を探してた自分が恥ずかしい…
そもそも採取するアケビのツルは地面に沿って真っ直ぐと根を張っていて、
平地よりは傾斜のある場所で多く見つかるようです。
ツルの特徴として細くても丈夫で柔軟性があるので、素人でも簡単に素材を痛めず刈ることができました。
たまに伸びたツルの元となる主根があるので、間違えて刈らないよう気をつけます。

アケビのツルの収穫時期は9月から11月の雪が降るまでで、
春ごろからまた成長し始めて半年で収穫できるまでになります。主根はそのための大事な幹です。
また、主に寒さの厳しい東北地方がアケビの産地ですが、
特に標高400m前後の山に多く生息しており今回の場所も標高600m地点にありました。
寒さと暑さを乗り越えてこそ丈夫なツルになるようです。


↑ 主根

渡部さんのツルを採取するスピードは凄まじく、少し目を離すと草木の中に消えていて
時折大声でお互いの位置を確認しあったりしていました。
ツルがある場所は毎年の経験からある程度は分かるそうで、
大量にツルを見つけた時の無邪気に喜ぶ渡部さんを見ているのが楽しかったです。



採取したツルは節や余分な枝を全てハサミで切っていきます。
綺麗に切らないと後々作品に影響が出てくるので慎重に作業していきます。
ツルの採取ではほとんど役に立てなかったので、この作業を私は頑張りました…!




綺麗になったツルは小分けして吊るしながら乾燥させます。
↓ この日1日の成果です。大きさにもよりますが、これで作品を10〜20個は作れるそうです。
3人で作業しても2〜3時間かかりました…。1人だと相当大変な作業です。


この一連の流れを1ヶ月間ひたすら繰り返すのですが、この期間で1年分の材料を採る必要があるので
かなりのプレッシャーがあるはずです。
でも山形で過ごす渡部さんを見ていると、凄く生き生きしていて、周りからも愛されている。
とても勇ましく頼もしい方だなと感じました。
草木に突っ込んでいく渡部さんは本当にかっこいいです!



今回は本当に貴重な体験をさせていただきました。
身をもって材料を採ることの大変さを知れて良かったです。
しかしこの大変な作業を臆することなく1人で淡々とこなす渡部さんは凄すぎます…。
次はカメラマンというよりは戦力として活躍してみたいです。

山の美しさに感動しすぎて写真を撮りすぎたので、
作業風景をもっと見たい方、緑を見て癒されたい方は最後まで是非お付き合いください。



↑ アケビの実。まだ熟成しきってないので青いです。アケビの実は食べることもできるようです。(渋い味)

↑ コクワの実。


↑ 山葡萄の木。樹皮が丈夫でカゴにもできるそうです。渡部さんも今後この素材を使ってみたいそう。

↑ ここからは2日目の採取で、晴天だったので光が入る山がとても綺麗。


↓ アケビを採取していた山の頂上付近です。


↑ 2日間一緒に同行された中村さんに撮っていただいたツーショット写真。

最後までお付き合いありがとうございました!