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2022/06/03 20:38



編組品作家、渡部萌さんの材料調達に3日間同行させていただきました。

去年山形県でアケビ採取に同行しましたが、今回は岩手県遠野市で胡桃(クルミ)樹皮の採取に同行です。

3日間みっちりと一緒に作業してきましたので、一連の流れを写真でご紹介していきます。



まずは木の選定からです。

作品をイメージしながら、様々な形や表情の木を吟味しています。

また木は胡桃以外にも今後の新作のため葡萄やサワラ、キハダなども実験的に伐採します。



ここから樹皮を剥がしていきます。

今の時期は木が地面から水分を吸い上げるので、樹皮の中が潤っています。

樹皮が柔らかい場合は簡単に剥がせますが、硬かったり大きい木を剥がす場合はかなりの重労働です。

正直この作業が全工程で一番大変でした….



全て剥がし終わると、次は樹皮表面の苔を落としていきます。



少し干して乾かしてから、剥がした樹皮を丸めていきます。

丸める時樹皮が裂けそうで怖かったのですが、意外にも丈夫でかなりの弾力がありました。

大きな樹皮は全身を使わないと樹皮の弾力で体ごと弾き返されそうになる程です。




丸めた形状が定着してきたら風を当てながらさらに乾燥させていきます。



ここまでが作業の一連の流れになります。


今回作業に密着させていただいて、なぜ渡部さんが素材を活かしたいのか深く理解することができたと思います。


木を選定する段階で木にもそれぞれの個性があること。樹皮を丸める時に感じる弾力性や、乾燥させると変化する樹皮の色。

現代社会において自然素材を扱うことの意味。


渡部さんと話していると、樹皮やアケビの素材の良さを伝えると共に、それらを通して自身の作家としての在り方や表現方法を模索しているのを強く感じます。

だからこそ今後の展開も楽しみです。


今年の11月には個展を予定していますので、ぜひご期待ください!


↑ 今回お世話になった茅葺き屋根のお家。



家の隣には馬小屋があり、樹皮をかじってきたりとたまに悪さもするのですが人懐こくて可愛いです。


↑ 乾燥させた樹皮を慣れた手つきで収納する渡部さん。

↑今回の収穫の一部。