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2023/03/18 09:23


密着体験取材の後編となります。

4日目 12:00~ 漆塗り作業

4日目は午後から作業開始で、夕方までノンストップで漆塗り作業です。
漆でかぶれないように完全防備で臨みます。
完全防備で私がカメラを触れないため、この日は成田さんの奥様に撮影いただきました。
ご協力感謝です。

使用する漆は主に白漆と生漆で、作品の性質によって使い分けるのですが、
漆を塗ることで深みのある表情に変化し、効果としても目止めの役割があり一石二鳥です。

作業としては漆を塗って、拭いていく単純な作業なので、この日は成田さんが漆を塗って
私が漆を拭き取るという流れで体験させていただきました。
単純作業とはいえ、かぶれないよう気を使いながら長時間作業するのはなかなか大変です。
100点を超える作品を2人で4時間ほどで塗終えましたが、普段成田さん1人で作業すると1日漆塗りで終わってしまいます。

漆を塗りを終えると、漆を定着させるため200~300度の低温で焼き付け、ヤスリで簡単にならしていよいよ作品の完成です。
真っ白だった器は、漆を塗るとすぐ貫入(ひび)に浸透していきます。

↑ 完全防備の私と成田さん


5日目 9:00 ヒナの散歩 → フタモノの成形

この日は私も愛してやまないフタモノ成形の体験です。
まずは一連の流れを写真でご覧ください。


ルーツをテーマに製作されているフタモノは、元来何かのルーツとなる素材や生物の骨や歯などを保管するために考えられたものです。
製法もとても原始的で、原土の塊を四角に整え、ワイヤーで自由な線で切り取ります。
そこから半日から1日程乾燥させて、切り取った部位を掘り込んだ後、器同様にツルツルに磨き、焼成したら完成です。
白い粉は片栗粉で、互いが引っ付かないように工夫されてます。
今回は新色として、原土に顔料を練り込んだ黄色や緑、ピンクなどがあります。
子供用玩具のような愛らしさで、成田さんのお子さんに合わせて作られた色のようです。

この日はフタモノを2つ成形して作業終了。
初めはこんな綺麗な箱を私が作れる自信がなく不安だったのですが、やってみると作業としては一番楽しかったかもしれません。
作業時間としても2時間もかからず成形できてあっという間でした。

フタモノは表現の自由度が高いため、私がつくり始めるときに迷っていると
成田さんが四角に整える理由として、自分の中でルールを設けているのだと教えてくれました。
四角の限られたパターン線の中から生まれる面白さがあるようです。

↓ 私が成形した卵型のフタモノ。慎重に慎重に掘っていきます。



6日目 9:00 ヒナの散歩 → フタモノの磨き

フタモノ磨きは作業に夢中になりすぎて撮影するのを忘れてしまいました…すみません。

作業的には器と同様なのですが、平面ということもあり均一に磨くのが難しいです。

↑ 私が成形した卵型と階段型のフタモノが完成しました!(焼成前)
焼成したものは店頭で自慢させてください。笑 

↓ こちらも今回の体験で私が製作したプレートとマグ。
漆焼き付け後に少しやすりでならして完成しました。嬉しい。


↓ コートフックの成形


〜取材を終えて〜

今回長期にわたる取材を快諾して下さった成田ご夫妻には改めて感謝です。
今回の経験を通して、今までなんとなく感じていたことが明確になっていくことが多かったように思います。
特に感じたのは、なぜ作家が今の作風にたどり着いたのかということ。
成田さんの時間軸が愛犬のヒナや、お子さんにあることでゆったりとした時間の流れや暖かみ、柔らかさを感じる場面がとても多く
それらが自然と作風に表れていることを実感しました。

近頃は毎週のように成田さんの工房へ行くのが私の楽しみにもなっていたので少し寂しいですが、
今後もゆったりじっくりと成田周平さんを追いかけていきたいと思います。


〜成田さんの好きなもの〜



〜オフショット〜