2025/11/19 09:51

So Koizumi Solo Exhibition
「As」
2025.11.22 sat  — 30 sun

- 以下、デザイナーより


 「As」は、アスファルトという素材の起源を見つめ直し、現代の視点で再解釈することから生まれたシリーズです。

アスファルトは古来より、異なる素材を結びつける「接着剤」として用いられてきました。現代では道路舗装材としての印象が強いものの、その本質は“繋ぐ” という根源的な機能にあります。
このアスファルトという素材を、 「異素材同士を媒介する存在」として捉えることで、新たな表現の可能性を探りました。

日本では縄文時代に動物を仕留めるために使われた矢尻には、木の枝と石を結び合わせるためにアスファルトが用いられていました。
異なる素材をつなぐ媒介としてのアスファルトを現代でも同様の捉え方をし、アスファルトによって金属、石、樹脂などといった異素材を結合させ、スツールやサイドテーブル、照明などの家具コレクションの作品として昇華させることを目指しました。


アスファルトをはじめとする一部の素材は、自らの手で成形や仕上げを行っています。素材を作り出す行為そのものを制作の一部と捉え、実験と設計を繰り返すことで、構造や質感へと落とし込んでいます。
そうした実験的なプロセスを通じて、素材がもつ根源的な力や、異なる要素のあいだに生まれる関係性を探っています。




~ “As” Collection ~

・Chair
W405 D350 H610mm
asphalt, aluminum, resin


・Stool
W315 D305 H455mm
asphalt, brass, stone


・Side Table
W605 D340 H220mm
asphalt, stainless steel, Jesmonite


・Lighting (Small)
W235 D210 H1220mm
asphalt, stainless steel, stone


・Lighting (Large)
W295 D265 H1600mm
asphalt, stainless steel, resin


・Wall-mounted Object_A
W225 D95 H235mm
asphalt, stainless steel, stone

・Wall-mounted Object_B
W285 D80 H195mm
asphalt, stainless steel, resin

・Wall-mounted Object_C
W130 D95 H305mm
asphalt, brass, Jesmonite

「As」LOOK BOOK


今展では “As” Collection のほか、これまでのシリーズも展開します。

「Urut」 2024

Urut は、ヘルシンキ在学中に訪れた教会の記憶からインスピレーションを受けてデザインされたロウソク立てです。
フィンランド語で「オルガン」を意味するこの作品は、ロウソク立てとそれを収納する細長いケースで構成されており、ケースの表面に映り込む炎の揺らぎや細長いパイプを伝う煙がゆっくりと上昇する様子は、空間に静寂と調和を生み、深い安らぎと静かなひとときを提供します。


「Polysemy」2023

Polysemy は1つの形状から置き方を変えることで、本棚やサイドテーブルなどの様々な機能を兼ね備えるオブジェクトです。
Polysemyとは「多義:1つのことが多くの意味を持っていること」を意味します。通常人工的なものは、イスならイス、机なら机と、1つに対して1つの機能を持っていますが、「Polysemy」は機能を限定しないことで、空間や場面に合わせて多様な使い方をすることが可能になります。


「SEVEN」 2022

SEVEN は、テンセグリティ構造を活かした新しい構造の風鈴です。一見浮遊しながら安定しているように見えますが、風などの外部からの力が働くことで、均衡を保つために揺れが発生します。この揺れを音に変換することで、空間に音色を響き渡らせ、日々の生活に癒しや彩りを与えます。



- 小泉 創 デザイナー
2021 年に東京で SO KOIZUMI DESIGN 設立。
空間や家具をはじめオブジェクトなど多岐にわたる領域のデザインを手掛けている。
自身の思考を出発点に、素材や構造に内在する機能や意味を問い直し、実験的かつ概念的な
アプローチで独自の造形を追求することで、物事の新たな関係性の構築を目指している。


- 製作協力:落合製作所、北川陽史、倉持太一、佐野政製作所、株式会社コーティング小林、シィアンドビィ株式会社、フジ大理石株式会社、矢嶋 大嗣(株式会社アクイラ)