今月、8/11(金) 〜 8/20(日) に予定している「薪窯展」に向けて2日間作業を見学させていただきました。
1日目は作品を窯に詰めていく作業を見学したので、その様子をご紹介いたします。
今回薪窯展にご参加いただくのは、以下6名の作家になります。
(石川裕信、大隈新、呉瑛姫、竹下努、田中太郎、額賀円也)
今展で展示する作品は、基本的に全て一つの窯で6名が同時に焼いた作品となります。
今回使用する窯は、岐阜県八百津にある大隈新さんの薪窯で、一回の窯焚きで700点以上もの作品を焼成します。
※ 去年、大隈さんの個展の際に窯出しのBlogを書いてます。今回は残念ながら立ち会えなかったので、窯出しの様子が気になる方はぜひご覧ください。
そもそも薪窯というのは、薪を燃料として焼成する窯のことです。
薪窯にも色々と種類がありますが、今回使用する大隈さんの窯は半地下式の穴窯と呼ばれるものです。
半地下式とは、地面の傾斜を利用して穴を掘り、地上部分のみレンガでドーム状の屋根を積み上げる方法になります。
これからご紹介する写真は作業2日目の様子になります。長くなりますがぜひ最後までお付き合いください。
↓ この煙突から炎と煙を逃がします。
↓ 8割ほど窯詰した状態。
作業の流れとしては、以下のようになります。
1日目:窯詰作業
2日目:窯詰作業 (MATOYA見学)
3日目:窯のあぶり焚き、薪割り
4日目:窯焚き(MATOYA見学)
5日目:窯焚き
6日目:窯を冷やす
7日目:窯出し
※ 窯のあぶり焚き(12時間程):200~300度の低温で湿気を飛ばし乾燥させ、全体に熱を持たせることで焼成時の窯内の温度差を均一にする。
↓ 窯詰前の作品たち。
↓ 窯詰していきます。
↓ 窯の中では基本的に1人がひたすらパズルのように作品を詰めていきます。
↓ なるべく隙間がないように詰めてます。見てて気持ちいですね。
↓ 穴窯中央付近の両側面は、作品を焼成中に取り出したり中の様子を伺える小窓があります。
↓ これらは焼成中に引き出す予定の作品。これは引出黒と呼ばれるもので、途中で引き出して急冷させることで、深みのある黒い釉薬の作品が生まれます。個展の際に拝見するのが楽しみです。
↓ リレーのように作品を詰めていきます。
↓ 窯の中の人が指示を出しながら効率よく窯詰しています。
↓ 窯で焼く際に使用する窯道具たち。こちらは作品を乗せる棚板。
初めて見た時は様々な表情を見せるこの棚板に私は興味津々でした。薪窯で複数人の作品を焼くことによって生まれる複雑な表情に惹かれていましたが、今回の個展では普段使用している棚板を数枚販売させていただけることになりましたので、窯道具に興味のある方はぜひご期待ください。
↓ 左馬。窯を作ってから初めて火を入れる時に焼くもので、縁起が良いとされてます。
↓ 棚板を支える支柱。
1日目を終えて、終始和やかな雰囲気で作業される皆さんがとても印象的でした。
大隈さんの窯での窯焚きも今回で6回目のようで、皆さんお互い役割分担しながら効率的に作業されてます。
自身の作品だけでなく、他の作家の作品の目土をつけたりなど、信頼関係があるからこそ成り立っているようにも思えました。
他人の作品だからこそより丁寧に扱う姿勢も感じられます。
次回は窯焚き編です。ご興味のある方はぜひご覧ください。
今回、作業の様子は全て写真家の倉田果奈さんに撮影を依頼しています。